2022年に発売され完売したものの、その後、言葉通りの意味で「消えてしまった」NFTコレクション、それが「YAMATO」である。YAMATOがどのようなプロジェクトで、何をし何をしなかったか、を公式ツイートを軸に探っていく。
YAMATOプロジェクト、始まり
YAMATOプロジェクトの公式アカウントが最初にツイートしたのは2022年3月12日、いわゆる「スニークピーク」がツイートされた。

NFTにおいてはまだ国内プロジェクトは一般的ではなく、この時点でリリースされていたジェネラティブプロジェクトといえばLoveAdiictedGirlsほど、という時期である。
続いて、3月30日にプロジェクト概要とロードマップが公開された。

これによるとYAMATOの概要は下記である。
・11,111体のジェネラティブNFTコレクション
・メンバーは4名(YUKIMURA、SK、HOKUSAI、ARUGA)
・ロードマップはアパレルの開発、メタバース上のアバター、コインの発行、そして投資に関するDAO(ファンドDAOと称されている)の設立


ここにあるファンドDAOの活動内容は「Web3領域への投資」とあり、NFT投資先例として「クローンX、エイプ etc…」と挙げられていた。
5月11日に「日本のアーティストグループが参画」とツイートされた。

この「アーティストグループ」が誰であったのかは現在に至るまで明確には公開されていない。
NFT発売
5月26日にプレセール/パブリックセールが開始される。プレセールはホワイトリスト保有ウォレットが対象であり、販売価格はプレセール価格が0.008ETH、パブリックセールは販売価格0.025ETHであった。

パブリックセールは開始から4時間半と「即完売」とまでは言えないまでも完売する。

(正確にはYAMATONFTは11,111枚のうち運営保有分1,111枚があったため、売られたのは1万枚ということになる。)
ただし、この時点で約30%、3,255枚を保有する大口ホルダーが誕生していた。

※「大口ホルダー」と呼ばれるウォレットhttps://debank.com/profile/0xcd0eaf67be17a31ec5444d6e87368cfff46bf86b/history
この「大口ホルダー」が保有する約30%は、直近の売り圧になるのではないかという懸念があった。しかし運営からは「180日後までorフロア0.1ETH達成のどちらかまでNFT売却不可」とするいわゆるロックアップ契約があると説明されている。
※このNFT売却不可についてはなにかしらの明確な契約事項に基づくものなのか、あるいは単なる口約束なのかは公表されていない。また、このホルダーは現在にいたるまでYAMATONFTを1枚も手放していない。
NFT投資、そしてフリーミント
完売後からすぐにもともとのファンドDAOの構想に基づいた行動が始まる。NFTホルダーの投票により第一回目の「投資先」としてAZUKIが選定され、6月11日にAZUKI#3366が購入された。

それとほぼ時を同じくしてYAMATONFTホルダー向けへの「Maplen」という名称のNFTがフリーミントで提供されることがツイートされた。


合わせてMaplenコレクションの公式ツイッターアカウントが開設された。

そして「Maplen」のフリーミントが6月18日に開始された。

またその同日、21時のフリーミントサイト開始直後に、第二弾の投資としてCloneXを購入したことがツイートされた。(購入自体の成立は20:56である)

ここまでであれば、NFT完売、ロードマップに記載していたNFT投資(購入のみではあるが)の実施、そしてセカンドコレクションのフリーミント、と順調のように思える。
しかしここからツイッターの更新が激減する。
Discordのハッキング、そしてツイートの減少
ツイッターの更新が滞りだしたきっかけは6月30日のYAMATODiscordのハッキングである。

この出来事と内部メンバーの行動の関連性は不明だが、この日から公式ツイッターアカウントのツイート数が激減する。
6月30日のハッキング報告・対策に関する4ツイートの次は、7月1日に1ツイート、5 日空いて7日に1ツイート、6日空いて14日に1ツイート、となっている。
また、セカンドコレクションのMaplenは6月18日にフリーミント開始であったが、最後の10,000枚目がミントされたのは7月20日である。フリーミントで全ミント完了までに約1ヶ月かかっているということになる。この間、Maplenは7月2日に1ツイート、7日に1ツイートしたのみでツイートはなかった。
公式ツイートが激減したことからYAMATOの運営についての疑問が発生する。セカンドコレクションのMaplenはまだ全ミント完了していない7月14日に、1週間ぶりに公式がツイートする。これは詐欺などの憶測を否定する内容であった。

このツイートから約1ヶ月後の8月12 日、Maplenがリビールされる。ミント開始から55日後、完売から23日後のことである。

そして、Maplenのツイッターアカウントはこのリビール告知を最後にツイートがなされていない。
このリビール報告のツイートを引用する形で、YAMATO公式ツイッターから、運営体制の変更が告知される。

このツイートによると、トラブルにより運営メンバーの一部が離脱した、とのことである。当初のメンバーは4名であったがそのうちの誰が離脱したのかは明らかにされていない。
ここから公式アカウントのツイートは更に減少する。
画像データの消滅と、最後のツイート
次のツイートのきっかけは9月20日、YAMATONFTがOpenseaから消えた(いわゆるDelist)ことである。
今もYAMATO公式リンクにあるOpenseaのリンク(https://opensea.io/collection/yamatoofficial)をクリックしてもYAMATOの画像を見えない。
昨日までOpenseaで表示されていたYAMATONFTがいきなり見えなくなったために、ホルダーなどの間で「YAMATOが自らNFTを消して逃げたのか?」という、いわゆるラグプルの可能性がささやかれる。これについて釈明するためのツイートが公式アカウントからなされる。

この、原因調査中のツイートを最後に、現時点でYAMATOの公式アカウントからのツイートは確認できない。つまり、現時点ではこれがYAMATO運営からの最後のメッセージということになる。
YAMATO公式の調査を待つまでも無く、消えてしまった原因は、YAMATONFTの画像が保存されているIPFSサーバから消えてしまったことであることが判明している。
※詳細についてはこのブログを参照

これでYAMATOは消えたことになる。
残された、AZUKIとCloneX
ここまでであれば、単に「プロジェクトが頓挫し、その結果としてiPFSのピンどめが外れ、画像が消滅したNFTプロジェクト」である。もちろん褒められた話ではないが、すべてのプロジェクトは成功が約束されたものではない。そのため「購入者の自己責任」で済む話であろう。
しかし、このプロジェクトの場合「投資として購入したNFT」が存在する。その動向は注視すべきである。
動きがあったのは10月29日、YAMATO公式最後のツイートから約1ヶ月後である。保有していたAZUKIがリストされたのである。

形式的にはこのAZUKINFTは、YAMATOプロジェクトや運営メンバーが個人で購入したものではなく、ホルダーから集めたETHによって共同購入した形になっている。(契約上ではなくあくまでYAMATO運営によると、ではあるが)購入もホルダーの投票によるものであれば、リストするか否か、するのであればいくらでするのか、も投票によって決定されるのが正当な手続きであろう。
このリストは17.50ETHとフロアプライスをかなり超えるものであったことから成立せず、消失した。
更に11月6日、今度はCloneX保有者がフリーミントできる「RTFKT Animus Egg」をミントした。
そしてその翌日11月7日、リストが消失していたAZUKIを同価格にて再度Listした。
動きがあったのは、2023年1月5日である。リストしたAZUKIが売れたのである。更に同日、YAMATOはRTFKT Animus Eggもリストする。こちらはフロアプライスよりも低価であったことからすぐに約定する。

結果として現在、「YAMATOFUNDDAO_Heaven」には約18.5ETH(約300万円)が保管されている。

関連リンク
YAMATO公式サイト:https://yamatoofficial.com/
YAMATO公式ツイッター:https://twitter.com/YAMATOxOfficial
Maplen公式ツイッター:https://twitter.com/maplenOfficial

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